こんにちは、墨朔です。今回は「BRIDGE CAST」のレビューをお届けします。
今回は、ゲーマーや配信者のために作られた Roland(ローランド)のゲーミングオーディオインターフェース「BRIDGE CAST(ブリッジキャスト)」をレビューしていきます。
基本的な機能や特徴、PCでの設定方法を紹介しながら、実際に購入して丸1年間じっくり使い込んできたからこそ分かるリアルな感想をお届けします。
BRIDGE CAST シリーズ3機種のラインナップ比較
現在、BRIDGE CASTシリーズには以下の3つのモデルが展開されています。環境や用途に合わせて選ぶことができます。
BRIDGE CAST(※今回レビューする標準モデル)

シリーズの中間に位置するバランスの取れた機種。このモデルのみ、ブラックだけでなくホワイトモデルもラインナップされています。
BRIDGE CAST X(最上位モデル)

HDMIキャプチャー機能や2PC同時接続に対応。さらに、本体右側に効果音などを鳴らせる6つの専用パッドを搭載したハイエンド仕様です。
BRIDGE CAST ONE(コンパクトモデル)

機能を凝縮して手のひらサイズにしたモデル。チャンネルつまみが4つから1つになり、ラインアウト端子がないなどの制限はありますが、プリアンプの性能や音声処理能力は上位機種とまったく同じです。
ゲーマー・配信者に刺さる「3つの圧倒的な強み」

BRIDGE CASTを簡単に説明するなら、まさに「配信者とゲーマーのためのオーディオインターフェース」です。特に注目すべき強みが3つあります。
① 自分と視聴者(リスナー)で別々の音量バランスを作れる
ゲーム配信中、「自分が聴くゲーム音は大きくしたいけれど、配信に載せるゲーム音は小さくしたい」という場面がよくあると思います。BRIDGE CASTなら、手元のつまみだけで自分用(モニター)と配信ユーザー用(ストリーム)の音量を完全に独立してコントロールできます。
② 圧倒的なマイク駆動能力(パワフルなプリアンプ)
高性能なプリアンプを搭載しており、最大75dBまでゲインを稼ぐことができます。 配信者に大人気の「SHURE SM7B」のように、ゲインが低く鳴らしにくいダイナミックマイクでも、外付けのインラインプリアンプ(Cloudlifterなど)を買い足すことなく、マイク一本で力強く駆動させられます。
③ ハードウェア側で処理する「マイククリーンアップ」
通常、ノイズ抑制やコンプレッサーはOBSなどの配信ソフト側でプラグインをかけることが多いですが、BRIDGE CASTは本体内部(ハードウェア側)で音声処理が可能です。これによりPCの負荷を減らしつつ、Discord通話など配信外でも常にクリーンな声を届けることができます。
本体で使える主要なエフェクトは以下の5つです。
- ローカット: デスクの振動音や空調の重低音を取り除き、声のこもりを解消します。
- ディエッサー: 「サ・シ・ス・セ・ソ」などの不快な歯擦音(キンキンする音)を抑え、滑らかな声にします。
- ノイズサプレッサー: エアコンやPCファンなどの定常ノイズを消し、無音時の静寂を作ります。
- コンプレッサー: 音量のばらつきを整えます。大声時の音割れを防ぎ、ボソボソ声を底上げしてくれる配信必須の機能です。
- EQ(イコライザー): 音域ごとの音色を微調整し、ラジオのような太い声など好みのキャラに変えられます。
【筆者のおすすめ設定】 私はBRIDGE CASTのエフェクト機能を使っていた頃、「ローカット」「ノイズサプレッサー」「コンプレッサー」の3つをONにして使用していました。 なお、ノイズサプレッサーのタイプ(エクスパンダー / ゲート / アダプティブ)については、音がぶつ切りになりにくいエクスパンダーかアダプティブが自然に聞こえるためおすすめです。PCファンのように常に鳴り続ける音には「アダプティブ」が最も効果的です。
トップパネルの使い方と仕様

直感的に操作できるトップパネルの各パーツについて解説します。
マイクエフェクト & ボイスチェンジャー

左上の「MIC EFFECT」ボタンを押すと、アプリ側で事前に設定した5つのエフェクト(ボイスチェンジャー等)を「SELECT」ボタンで瞬時に切り替えられます。初期設定ではリバーブやファットボイス、スーパーローボイスなどが登録されており、ピッチとフォルマントのつまみを使って自分好みの声にカスタマイズ・上書きが可能です。
ゲーム用EQ(イコライザー)

「GAME」セクションでは、自分がヘッドホンで聴くゲーム音声のイコライザーを切り替えられます。 初期状態のプリセットには、1: APEX、2: VALORANT、3: FORTNITE、4: COD、5: FPS GENERALが割り当てられており、足音を聞き取りやすくするなどの調整がボタン一つで可能です。
4つの独立ボリュームつまみ
中央にある大きな4つのつまみは、各チャンネルの音量を直感的にコントロールします。私は左から「マイク音」「AUX」「ミュージック」「ゲーム」の順に割り当てて使用しています(※アプリ上で自由に変更可能です)。
【操作のコツ:ヒトマークとアンテナマーク】
- 通常時(ヒトマーク): つまみを回すと自分がヘッドホンで聴いている音量メーターが動きます。
- ストリームミックスON時(アンテナマーク): 右下のボタンが青く点灯している間は、**「配信に載る音量」**のメーターに切り替わり、全体の配信バランスを調整できます。
- ミックスリンク時: リンクボタンを押すと、自分用と配信用の両方のボリュームを同時に連動させて上げ下げできます。
右側には、配信のマスター音量を調整する「STREAM」つまみ、スピーカー音量を調整する「LINE OUT」、イヤホン音量を調整する「PHONES」が独立して用意されています。スピーカーとヘッドホンの音量を手元で別々にスクロールして調整できるのは、非常に快適なポイントです。
背面(リアパネル)の端子と接続構成

背面の端子類は非常にシンプルかつ機能的です。
- USB端子: PCやスマホ、ゲーム機と接続します。基本はバスパワー駆動ですが、電力が不安定な場合は隣の「5V端子」にACアダプターを接続することで動作を安定させられます。
- USB接続設定スイッチ: PC接続時は「PC」、ゲーム機やiPhone/iPad接続時は「CONSOLE/MOBILE」に切り替えて使用します。
- LINE OUT端子: 外部スピーカー等へ出力します。
- AUX端子: スマホなどを有線接続し、外部の音楽BGMを取り込むことができます。
- MIC端子: XLR接続の本格的なマイクを接続します。
- PHONES/HEADSET端子: イヤホンやヘッドセットを接続します。ヘッドセットマイクを使用する場合は、CTIA規格の3.5mm 4極プラグを使用してください。
【重要】Windows側での音量ミキサー設定手順
ゲーム音とDiscordなどのチャット音、PCのシステム音を完全にコントロールするためには、Windows側の「音量ミキサー」の設定が必要です。ここでは「Windowsの通常音は『システム』チャンネル」「ゲーム(ストリートファイター6)の音は『ゲーム』チャンネル」で個別に鳴らし分ける手順を紹介します。
- Windows画面右下のスピーカーアイコンを右クリックし、「音量ミキサーを開く」を選択。
- システムの「出力デバイス」のプルダウンから「システム(BRIDGE CAST)」を選択。これでPCの標準的な音がすべてシステムチャンネルへ流れます。
- 音量ミキサー内の「アプリ」一覧から、起動しているゲーム(例:Street Fighter 6)を見つけ、その出力デバイスを「スピーカー(BRIDGE CAST)」に変更。
これで設定は完了です。本体の「GAME」つまみを動かしたときに、ゲームのメーターだけが独立して動くようになれば、完璧に分離できています。
約1年間使ってみたリアルな感想と総評
良かった点
これから生配信やゲーム実況をメインに活動したいと考えている方なら、「とりあえずこれを選んでおけば間違いない」と言い切れる完成度です。音量ミキサーとしての利便性や、手元でのコントロール性の高さは唯一無二の快適さがあります。もし2PC環境や一眼レフでの実況を目指すなら、上位の「BRIDGE CAST X」にいけばすべてが解決します。
気になった点
多機能で素晴らしいデバイスですが、もしあなたが「配信において、とにかくマイクの『音質』を最優先したい」と考えているなら、別の音楽制作向けオーディオインターフェースを検討した方が良いかもしれません。
BRIDGE CASTのマイク音に関しては、良くも悪くも「価格相応(3万円クラスのゲーミング機材)」といった印象で、音楽機材のようなハッとするほどの高音質さや艶っぽさは感じられません。マイク入力の純粋な音質だけで言えば、同価格帯の「Solid State Logic: SSL 2」や「Universal Audio: Volt 176」といった音楽向けのインターフェースに軍配が上がります。
ただ、決して音が悪いという意味ではありません。例えば、以前紹介した超小型USBオーディオインターフェース「SHURE MVX2U」と比較した場合は、明らかにBRIDGE CASTの方がノイズが少なくクリアで、良い音を出してくれます。
機能性と操作性を取るか、純粋な音質を取るかですが、ゲーム配信やボイスチャットの運用効率を考えれば、BRIDGE CASTのバランスの良さは今でもトップクラスです。
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それでは、また次の記事でお会いしましょう。
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