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10年以上愛され続ける開放ヘッドホン『AKG K712 Pro』を徹底レビュー

目次

オープニング

こんにちは、墨朔です。

今回は、長年開放型ヘッドホンの定番として愛され続けている名機、「AKG K712 Pro」のレビューになります。

AKGのヘッドホンと言えば、アニメ『けいおん!』のキャラクターが使用していたことで一躍有名になった「K701」というモデルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するK712 Proは、そのK701をはじめとする700番台シリーズの完成形とも言えるモデルです。

結論から言うと、このヘッドホンは「音の空気感を楽しみたいリスナー」や、「正確な定位を把握したいゲーマー」にとって、今でも最高の選択肢の1つになり得るヘッドホンです。

ただし、長年使っていく中で個人的に気になる点もいくつか見えてきました。

そのあたりも含めて、順番にお話ししていきたいと思います。

同梱品

まずは同梱物を見ていきましょう。

  • ヘッドホン本体
  • 3mストレートケーブル(OFC)
  • 5mカールコード(OFC)
  • 標準プラグアダプター(ねじ固定式、金メッキ)
  • キャリングポーチ
  • AKGロゴステッカー
  • 保証書

ケーブルが、ストレートとカールの2種類入っているのは、環境に合わせて使い分けられるので嬉しいポイントです。

また2種類とも、ヘッドホンに接続する側が身にミニXLR端子で、反対側が3.5mmステレオミニプラグとなります。

スペック・仕様

スペックは以下の通りになります。

項目内容
製品名AKG K712 Pro
タイプオープンエアー型(開放型)
再生周波数帯域10Hz ~ 39,800Hz
インピーダンス62Ω
感度93dB/mW
最大入力200mW
重量298g(ケーブル除く)

ここで注目したいのが、62Ωというインピーダンスです。 

数値だけ見ると決して高すぎるわけではないのですが、このヘッドホンは感度が低めということもあり、ポテンシャルを発揮させるにはそれなりの「駆動力」が必要になります。

そのため、スマホやPCにそのまま直刺ししてしまうと、ボリュームを最大にしても音が小さく、ペラペラな音になってしまいます。

K712 Proの持つポテンシャルをしっかりと引き出すには、オーディオインターフェースやDACアンプの導入が必須になると考えておいた方が良いでしょう。

外観

続いて外観を見ていきましょう。

全体は黒を基調としつつ、フレームやステッチ、そしてケーブルにアクセントカラーとして「オレンジ」が施されています。

個性的であり、所有欲も満たしてくれる素晴らしいデザインです。

好き嫌いは分かれそうな色使いですが、ハマる人にはかなりハマるデザインだと思います。

ちなみに私はかなり好みです。

ただ、機能面で1点注意したいのが、近年主流になっている「ハウジングが90度回転する機構」が備わっていないことです。

デスクにポンと置くときに、イヤーパッド側を下に向けた平置きができないため、置き方を少し工夫する必要があります。

ヘッドバンドにはレザーが採用されており、AKGのロゴが大きくデボス加工されています。

私は元々、ブランドロゴが強く主張されているデザインはあまり得意ではないのですが、このデザインならロゴが悪目立ちすることもないので、全く気になりません。

ちなみに、私が所有しているこのK712 Proは、購入してからかなり長い年月が経っています。

画面を見てもらうと分かる通り、使い込みすぎてロゴがほとんど見えなくなっています(笑)。

それくらい長く愛用できる頑丈さがある、ということの裏返しでもありますね。

装着感とセルフアジャスト

ヘッドバンドの調整は、よくあるカチカチと段階を踏むタイプではなく、ゴムの力で自動調整してくれる「セルフアジャスト」仕様になっています。

これが本当に優秀で、頭に乗せた瞬間にジャストフィットしてくれます。

個人的にこのセルフアジャスト機構が本当に大好きで、「この世にあるすべてのヘッドホンをこの仕様にして欲しい」と思っているくらいお気に入りです。

イヤーパッドはかなり大型で、耳全体をすっぽりと覆ってくれます。

耳のまわりに十分な余裕があるため圧迫感がなく、長時間使っていてもかなり快適です。

また、このイヤーパッドは反時計回りに少し回すだけで、誰でも簡単に取り外すことができます。

ベロア素材の長所と短所

K712 Proのイヤーパッドには「ベロア素材」が使われています。

このベロアという素材、非常に肌触りが良いのですが、メリットとデメリットがはっきり分かれています。

まず長所について。

1つ目は「蒸れにくい」こと。

レザー系の素材と違って通気性が高いため、夏場でも比較的快適に使用できます。

長時間作業しても耳の周りが蒸れにくく、汗でベタつきにくいのは大きなメリットです。

2つ目は「加水分解が起きない」こと。

PUレザー(合皮)のパッドによくある、数年使うと表面がボロボロ剥がれてくるあの現象が、ベロアなら起きません。

3つ目は「音抜けの良さ」です。

素材自体が適度に音を通すため、高音域がすっきりと抜けて、開放型らしい広い音場をしっかり感じられます。

次に短所になります。

1つ目は「汚れが目立ちやすい」こと。

起毛素材なので、ホコリや髪の毛が絡みやすいです。

さらにK712 Proのパッドは真っ黒なので、余計に白いホコリが目立ってしまいます。

2つ目は「水拭きによる日常ケアができない」ことです。

汗や皮脂が表面に留まらず繊維の奥に染み込んでしまうため、レザーのように「使い終わったらウェットティッシュでサッと拭く」というケアができません。

そのため、定期的に取り外して丸洗いするなどのメンテナンスが必要です。

海外のユーザーの間では、消耗品と割り切って定期的に新しいイヤーパッドを購入して交換するのが定番になっているようです。

3つ目は「低音が外に逃げやすい」ことです。

レザー製のパッドに比べて密閉性が低く、またベロア自体が音を通しやすい性質があるため、構造上どうしても低音域が外に逃げて抑えめになりやすくなります。

音質とゲームへの適性

では、肝心の音質はどうなのか。

一番の強みは、中音域から高音域にかけての圧倒的なクリアさです。

ボーカルの息遣いやエレキギターのディテール、アコースティックギターの繊細な弦の響きなどが、濁りなく綺麗に鳴ってくれます。

先ほど「ベロア素材は低音が逃げやすい」とお話ししましたが、このK712 Proの低音域は、中高音域に比べると確かに少し控えめ(フラット)に感じるものの、決してパワーが弱いわけではありません。

量感は控えめですが、必要な低音はしっかり出ています。

全体的に「特定の音を不自然に強調する味付け」がされていないため、原音に忠実で、とても自然な音を楽しめます。

ヘッドホン特有の耳元でカンカン鳴る感覚ではなく、「目の前で演奏された音が、空気を通って耳に届いている」かのような、素晴らしい空気感を感じました。

この「味付けのないフラットな特性」と「広い音場」、そして「正確な定位感」は、音楽のリスニングやミキシングといったクリエイティブワークだけでなく、ゲーム用途、特に敵の足音や距離感を正確に把握したいFPSゲームなどにもかなり向いています。

まとめ

それでは最後に、このK712 Proの『まとめ』として、どんな人におすすめなのか、逆にこういう人にはおすすめできないとうのを整理していきたいと思います。

おすすめできない人

① スマホやPCへの『直刺し』環境だけで完結させたい人

駆動力を必要とするため、アンプがないと音量が取れずペラペラな音になります。

② 家族と同じ部屋や外出先で使う人

開放型なので音がそのまま外に漏れます。完全に1人部屋向けのヘッドホンです。

③重低音の迫力を求めている人

音作りは原音に忠実でフラットなので、ドンシャリ系の音が好きな方には物足りないと感じるかもしれません。

おすすめできる人

① 長時間、快適に作業したい人

自動調整のセルフアジャストと蒸れないベロア素材のパッドの組み合わせは最強です。

② 音の距離感や位置を正確に知りたい人

圧倒的な音場の広さと定位感があります。

動画編集やミキシングはもちろん、FPSゲームでの足音の距離感の把握にも強力な武器になります。

③ 自然でリアルな空気感を楽しみたい人

閉塞感がなく、まるで目の前で演奏されているかのような、極上の開放感を味わいたい方におすすめです。

エンディング

いかがだったでしょうか。

K712 Proは『鳴らしきる環境さえ整えば、最高峰の快適性と空間表現力を誇る名機の一つ』と言えるでしょう。

発売から10年以上の長い年月が経っていますが、この圧倒的な音場の広さと、長時間着けていられる快適さは、是非体感していただきたいヘッドホンです。

こちらのヘッドホン、数か月前に1万円ほど値上がりし、現在どのショップでも5万円弱するのですが、サウンドハウスさんなら値上がり前の4万円弱で購入できますので、新品で購入するのであればサウンドハウスさんがおすすめです。

また、新品に拘りが無いのであれば、中古価格だと1万円台で購入できますので非常にコスパが高いヘッドホンだと思いますので是非チェックしてみてください。

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